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水の中のふたつの月


今日読み終えました、乃南アサさんの「水の中のふたつの月」の感想文です。


乃南アサさんの作品は主人公の女性の心情を巧みに描写しながら、読者をミステリーの渦にどんどん引き込んでいく不思議な魅力あふれたものが多く、最近ハマってる作家さんです。
乃南さんの作品で最初に読んだのは、直木賞受賞作の「凍える牙」でした。女性刑事である主人公の音道貴子はあまり好きにはなれなかったけど、彼女の目を通じて描かれる中年刑事の滝沢がとっても魅力的でした。それ以上に素晴らしかったのが、その続編である「」です。この作品では前作での事件を通じて成長した音道刑事の心の葛藤と、彼女を救おうと懸命に頑張る滝沢の姿に、思いっきり感情移入してしましました。
その次に音道刑事が出る短編集を読んで、その後、手にとった作品が「」も素晴らしい作品でした。


で、その次に読んだのが、この「水の中のふたつの月」。
これまでの作品が相当高いレベルでしたので、すっごく期待してたんですが、期待は裏切られました。
少女時代にある秘密を共有する個性的な3人の女性が10数年ぶりに再会したことで秘密の封印が解かれ、暗いかこの事件が蘇っていく・・・っていうストーリーなんですが、最後まで彼女たちの考えに引き込まれることなく、「この子たち、ばかばかしいなぁ」って冷めて読んでました。
確かに女の子どおしって見栄の張り合いっていうことばかりであるけど、実際はもっとドライなんじゃないかな?
親友として付き合いながら、陰では足を引っ張り合ってるのに、結託して殺人を犯すなんてね。しかも最後になぜ恵美じゃなくて哲士を殺めるのかもわかんないし。
すっごく消化不良。意味不明だからサイコサスペンスってわけ?

それに最初は亜理子という名前の女性が主人公だと思ったら、途中で主人公が理沙に変わっていくし、過去のシーンの描写では、ひとりだけが意味ありげに「少女」と書かれ、あたかも現代の場面と同一人物じゃなさそうに匂わせておきながら、結局それはなんの意味もないことだったりとか、レトリックに走りすぎてる気もしますしね〜。



結論:まあオカルトが好きな人はいいかも。



乃南さんの作品はミステリーよりもこういった心理サスペンスの方が主流らしいので、今後はもう読まない・・・かも・・・。
あ、もう一冊同時に買ってたんだ。もったいないから明日から読もうっと。