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楽しかった。けど?:悪党たちは千里を走る

貫井徳郎さんの『悪党たちは千里を走る』を読み終えました。


感想はひとことで言うと「楽しかった!」
でもそれじゃあつまんないので、簡単にどんな話だったかを書きますと、ドジな詐欺師の高杉と園部はふとしたきっかけで女詐欺師の菜摘子と出会います。この三人は、成城のお金持ちの愛犬を誘拐して身代金を奪おうとたくらみますが、それを見破ったその家の小学生の巧から「自分を誘拐して身代金を脅し取る」っていう狂言誘拐を持ちかけられます。
しかし、何者かが巧を本当に誘拐して、高杉たちにその狂言誘拐の実行を迫り、お金を脅し取ろうとします。
高杉たちは巧が考えた作戦通りにまんまとお金をせしめることに成功し、巧の救出に向かうのです。
果たして巧を無事に救い出すことができるのでしょうか。そして意外な犯人が目の前に・・・!


そんなお話です。
本格的なミステリーじゃないので、謎解きとかはたいしたことはありません。確かに物語は、巧妙に仕組まれた誘拐事件は読みごたえはあるし、その裏にある真相を解くのもなかなかです。でもむしろ詐欺師三人と巧くんとのユーモアあふれる会話の軽快さを気軽に楽しめる作品でした。


ただ、読み終わって感じたのは、これって別に貫井さんじゃなくてもいいんじゃないの?ってことでした。
こういう作品って、この前も書いたけど、奥田秀郎さんとか、荻原浩さんとかが得意とするところで、毛色は違うけど、子供を書かせたら宮部みゆきさんはもっとうまい。この作品には「貫井さん」の色がないっていうか、特徴がないんですよね・・・。


読み始めは「これは!」って思ったんだけど、読み終わると・・・やっぱり物足らなかった。貫井さんだからっていう期待が大きすぎただけのかもしれないから、全体としての評価は、星4つ★★★★☆にしておきます。とっても高いレベルでの可もなく不可もない作品っておもいます。