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柴田よしきさん、三連発!

特に読みたい本もなく、安全策で柴田よしきさんの本を三冊連続で読んでました。もちろんRIKOシリーズなんていうえげつないのには手は出しません。RIKOシリーズって女性に人気なんですってね。松田聖子が同性にウケるようなものでしょうか。あたしは明菜派だからね・・・。



で、最初は『桜さがし』という連続短編集です。
中学時代からの友達男女4人が織成す、恋愛&ミステリー小説です。
短編集ですけどストーリーは繋がってて、4人が成長していって、自分たちの道を見つけてそれぞれの道を歩き出すまでが描かれています。
派手な演出はないけど、京都(左京区の山中の自然)を舞台に、ほんわかした雰囲気がよく出てます。
難を言っちゃうと、ミステリーとしても恋愛小説としても中途半端。どっちも盛り上がらない。ミステリーに力点を置くか、逆に恋愛をメインにおいてそれを盛り上がるための演出としてミステリーを据えるか、はっきりしたほうがよかったなって思いました。
★★★☆☆。可もなく不可もなくってところで・・・。



次は『ふたたびの虹』です。
東京・丸の内の片隅にある小料理屋「ばんざい屋」を舞台に繰り広げられる短編ミステリー集です。
表紙に「恋愛ミステリー」なんて書いてあったからあんまし期待してなかったけど、中身は軽いタッチのヒューマンミステリーという感じの内容です。はっきり言ってこの「恋愛ミステリー」なんていうフレーズでかなり損してると思うナ。
NHKの夜の連続ドラマ『七色のおばんざい』の原作だそうですけど、登場人物こそ同じでもドラマのほうのストーリーはほとんどオリジナルだったんだそうです。
オフィス街にひっそりと建ってる京都の小料理屋さんに、お客さんが毎晩やってくるんだけど、お客さんはそこでなんとなくほっと力を抜くことができる。そんなお店のお客さんが抱えるちょっとした困りごととか殺人事件とかにまつわるミステリーと、女将が抱えている過去の秘密、そして客のひとりの清水と女将の恋愛・・・、いろんなことがうまくまとめられてると思います。
さっき紹介した『桜さがし』はどっちも中途半端だったけど、こちらの作品はうまくハーモナイズしてると思いました。
人間が嫌いになりかけてる人にぜひ読んでもらいたいなって思います。
★★★★☆にしときます。



で、最後が『観覧車』でした。
これも「恋愛ミステリー」って書いてたけど、恋愛って書けば女性は飛びつくと思ってるのかしらね? 恋愛ミステリーなんて書いちゃうと、すっごく安っぽく感じちゃうのはあたしだけ? すっごくもったいない。
これも連続短編集で、ぜんぶで7年くらいの長い話です。
夫が謎の失踪をしてから、ひとりで探偵事務所を守り続ける唯が、探偵として成長していく姿は逆比例するように、時間がたってもなお夫を待ち続ける唯の気持ちの揺れ動く様子とかむなしさとかが切なく描かれています。
結局最後まで失踪の理由がはっきりしないままなんです。そういう終わり方もあるのかもしれないけど、唯の気持ちの整理がついたわけでもないし・・・。
無理やり終わらせたっていう感じでした。

これ、柴田よしきさんが最後に書いてるんだけど、最初はあまり深く考えずに、夫が失踪したことにしちゃったんだそうです。
柴田さん自身もどういう理由にしたらいいのか答えが出せないまま投げ出しちゃった・・・っていう印象を持っちゃったんですよね。
柴田さん自身も続編を書くつもりだってあとがきで書いてるので、それの期待も込めて・・・★★★★☆です。