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依存症って必要悪かも:イン・ザ・プール

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール
posted with amazlet on 06.04.08
奥田 英朗
文藝春秋 (2006/03/10)

奥田英朗さんの大ヒット作品、『イン・ザ・プール』がついに文庫本になったので、ただちにゲットしてたった1日で読破しちゃいました。


こういう無茶苦茶な人物像を書かせたらほんと上手な作家さんだけど、今回は登場人物が全部変。主人公の伊良部医師はめちゃくちゃどころか変態の精神科医師。何も考えてなくてやりたいようにやってると勝手に患者さんの方がよくなってる(笑)。

患者さんたちはケータイ依存症、プール依存症、陰茎強直症、強迫神経症、被害妄想などが病的に悪化したひと。偶然に伊良部総合病院に来たばっかりにひどい目にあいます。この伊良部医師、マザコンでコスプレフェチでデブで脂性。



一本目のお話で本のタイトルにもなった「イン・ザ・プール」で患者さんに言った伊良部医師の言葉が印象的でした。


「ストレスの原因を探るとか、それを排除する工夫を練るとか、そういうの、ぼくはやんないから」
「ほら、最近よくテレビでカウンセラーが患者の悩みを聞いて励ましたりするシーンとかあるじゃない。ああいうの、何の役にも立たないことだから」
「つまりストレスなんてのは、人生についてまわるものであって、元来あるものをなくそうなんてのはむだな努力なの。それより別のことに目を向けたほうがいいわけ」
「とにかくストレスの元などへたに探そうとしないことだね。どのみち心身症になるような人間は、思い当たったとところでそれを根絶することなんてできないわけだから」

説得力あるよね。
あたしもメンタルクリニックに通ってたことあるけど、ロクにカウンセリングなんてしてくんなかったしね。今の精神科って患者が多すぎてそれどころじゃないからクスリ渡して「はい、また来週ね」っていうベルトコンベア方式だから。

だったら逆にいい迷惑だけど、伊良部医師みたいな人のほうがよっぽどいいかなぁって思っちゃいます。
あたしも診てほしいな。


電車の中で読むと気味悪がられますので要注意です。


評価は★★★★☆。
ちょっとキビシメにいっときます。