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おいしすぎる小説:メイン・ディッシュ

メイン・ディッシュ
posted with amazlet on 06.04.17
北森 鴻
集英社 (2002/03)
売り上げランキング: 4,561
おすすめ度の平均: 4.67
5 1冊で何度もおいしい
5 美味しい食事で満腹です!
4 美味しい話が読みたければおすすめ


連続して北森鴻さんの本。『メイン・ディッシュ』です。
前にご紹介した『花の下にて春死なむ』とおなじように料理が物語に華を添える連続短編集です。
主人公は小劇団を主催する舞台女優のユリエ。そのユリエの元に舞い込んできたふしぎな同居人”ミケ”こと三津池修。その劇団の脚本家でお調子者の小杉、その脇を固める個性豊かな劇団員のお話・・・・かと思ったら、第2話ではぜんぜん関係ない「アリバイレシピ」という話が挟まれます。で、元のミケさんのお話に戻ったと思ったら、また「バッドテイストトレイン」という無関係に見える話が登場します。これが壮大な伏線。
並行していたお話が「サプライジングエッグ」でひとつの像を作り出します。
連続短編だけどひとつの長編ミステリー小説としても優秀な作品に仕上がっています。


普通ならここで終わり、なはずなんだけど、北森さんはここから読者にエキストラテイルを2つも用意してくれました。
1つは単行本書き下ろしの「メインディッシュ」。ここで彼が戻ってきます。これだけでも十分なのに、最後の最後、文庫本のための書き下ろし「特別料理」では、すっごい”オチ”を用意してくれています。
思わずニヤリ、そしてヤラレタ・・・って感じです。おいしすぎます!


とにかく構成が見事。
この本に収められてるいくつか短編が、物語に登場する作家によって書かれてることになってたり、「アリバイレシピ」には叙述トリックが使われてたり、元々自分の名前をもじって考えた名前を逆に利用してオチに使ってみたりと、サービス精神も満点。

この物語の大きな位置を占めてるのが小杉の存在でしょう。ミケさんがコナンくんなら、小杉は毛利小五郎、ユリエは蘭ちゃんって具合。視点は鋭いけどすごく間が抜けててお調子者でドジばかり。でも小杉がいるからこそ核心の手前まで迫れるのだし、詰めの甘さをミケさんがうまくフォロー・・・。本当に2人で1人って感じがしちゃって、最後のオチが爆笑に繋がるのです。


ちょっとホメすぎな気がしないでもないけど、★★★★★
勢いで北森さんの本、あと2冊も買ってきちゃいましたもん。