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ある意味最強の女性ヒロイン:Miss You

Miss You
Miss You
posted with amazlet on 06.05.25
柴田 よしき
文藝春秋 (2002/05)
売り上げランキング: 119,890
おすすめ度の平均: 4
4 柴田さんの卓越したストーリーテリングが味わえます。

久しぶりに柴田よしきさんの本を読みました。
柴田よしきさんっていうと、すごく穏やかなお話から、ちょっと引いちゃうようなお話まで、すごく振れ幅が大きい作家さんだなって思ってますけど、これは本格的な長編ミステリー。
文芸編集者が連続殺人事件に巻き込まれるっておうお話なんですけど、あんまし業界ネタって好きじゃないので、今まで手を出すのが億劫になってました。
どっちかというと消極的に買ってみたんですけど、案外悪くなかったです。


主人公の有美は東大卒で美人の文芸編集者。編集者として平凡な日々を送ってたんだけど、信頼する先輩の竹田沙恵が何者かに惨殺され、有美も命を狙われます。
恋人の元には有美と瓜二つの女性が出演している裏ビデオが送りつけられ、ショックを受けた恋人は自殺未遂を図ってしまいます。
有美は親友で作家の浅見清子と一緒に犯人探しをはじめます。
作品が書けなくなった作家の伊佐木、新人作家で生意気な新田、影がある新人作家の佐久間などなど、個性のある登場人物に翻弄されながら、やがて事件の真相が明るみになっていき、有美も一人前の編集者として成長していくのです。


とまあこんなお話です。
ストーリーは悪くはないです。登場人物は多いけど描写がうまいから混乱はしないし、とっても読みやすい。心理描写もうまいなぁって思います。構成力も巧みで前半の丁寧な人物描写が後半の展開に無駄なく生かされています。


ただ、謎解きは拍子抜けです。
竹田を殺した犯人、そして有美を狙う犯人はちょっと唐突だったし、裏ビデオを送った犯人も「一番身近な人間が犯人」というサプライズのかけらもない感じです。
でもね。そんなのよりもっと気になることがありました。それは主人公の有美がキレイすぎるんです。性格もいいし、潔癖だし・・・、なんていうのか人間として面白みがまったくないんです。男性から見てもきっとそうだろうし、女性から見ても鼻持ちならない感じの女性って感じがします。だから狙われる。それがわかりやすいくらい、本当にいたら超イヤミな女って感じがする。
本人にその気がないだけに余計に始末が悪いってかんじかな?
実際にいるんだよね、こういうひと。


評価はね・・・難しいなぁ。
水準以上だけど想像の範囲内。★★★☆☆までかな。