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女性詐欺師の痛快ストーリー:ルート246―華麗なる詐欺師・倉田梨り子

女性詐欺師・倉田梨り子が主人公の短編集。これがとってもおもしろかった!


基本的に詐欺師のお話って大スキ。普通の詐欺師のお話ってたいてい途中でバレそうになってそれをどう潜り抜けてダマしきれるかっていうのが見せ場っていうお話が多いと思うんだけど、この話はそういうのじゃない。相手をどうだまして憂さ晴らしをするかという「仕返しビジネス」を請け負う倉田梨り子とその仲間たちのお話なのだけど、梨り子に失敗はない。あくまでも華麗に、そして理にかなってて。
元々本人は、ちょっと負けん気が強くて融通の利かないキャリアガールだったのだけど、親友に裏切られて就職口を失い、上司にだまされて会社を追われ、男にだまされてお金を巻き上げられて失意の中で、自分の父親と同じ「詐欺師」への転進を図ります。それは自分を裏切った連中をまとめてだまして憂さを晴らすことでした。有能な仲間にサポートされた梨り子は、失踪した伝説の詐欺師である父から受け継いだ才能が開花し、見事に憂さ晴らしに大成功・・・これがきっかけで梨り子は「仕返しビジネス」を思いつくのです。


梨り子はクールに振舞いながらも、実はとても人情深い女の子。依頼人に肩入れして依頼を完璧に応えます。その鮮やかな手口と徹底ぶりは読んでるこちらの胸もスッキリさせてくれます。
仕返し。きっとこういう発想って男性にはないのかもしれません。男性ならしょうがないってあきらめることも、女性では頭でわかってても気持ちがそれを許せないことがいっぱい。理屈よりキモチ。そのためなら身銭を切ることだっていとわない。


その鮮やかな手口だけじゃなくって、登場する人物・・・仕返しする側もされる側も・・・とても表情が豊か。キャラが立ってるっていうのかな。もしドラマ化したらきっと人気シリーズになると思います。でもドラマ化するならぜったいテレビ朝日だけはやめてほしいな(笑)。


最近、あたしの中でおもしろいと思った作品とそうじゃない作品との差が激しい。今回はクリティカルヒット。ここのところ乱発気味だけど、この作品も★★★★★で文句なしです。