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最高の目玉焼きはいかが?:サニーサイドエッグ

サニーサイドエッグ (創元クライム・クラブ)
荻原 浩
東京創元社 (2007/08)
売り上げランキング: 6626
おすすめ度の平均: 4.0
4 今回もオモシロイ


あたしの大好きな荻原浩さんの新作で、『ハードボイルド・エッグ』の続編にあたる『サニーサイドエッグ』を読了しました。今回も超笑える。


主人公の最上涼平は、前作の最後で少しかっこよくなったはずなのに、今回は最初から最後までヘタレ全開。今回の助手はブロンド美人の茜(15歳!)。
レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説の主人公、私立探偵フィリップ・マーロウにあこがれて、言うことはハードボイルドっぽいけど中身がぜんぜん伴ってない涼平の減らず口ぶりは相変わらずで、探偵って言ってもやってることはペット捜索ばかり。そんなペット探偵さんが、長尾千春という女性に「リュウ」というロシアンブルーという品種のネコ探しの依頼を受けるのです。
ハードボイルドなはずなのに依頼主の千春にヨコシマな恋心を抱きながら捜索を開始すると、なぜか暴力団からも同じロシアンブルーの「チョコピー」(爆笑!)の捜索の依頼も受けてしまうのです。
リュウ=チョコピーであることがわかり、暴力団の脅しにおびえながら、千春への恋についなびいてしまう涼平ですが、そのリュウには重大な秘密が隠されていて、それが元で暴力団から追われるハメになってしまいます。
新しい助手の茜もなにやら秘密がありそうで、茜の“裏切り”によって命の危険にさらされるんです。
涼平と茜は無事に生き延びることができるのでしょうか?


とにかくユーモアたっぷりの文章が最高に楽しい。荻原ワールドここに極まれりって感じです。荻原さんはマヌケなやくざを書かせると最高に面白いです(『なかよし小鳩組』も超オススメ!)よね。
口だけハードボイルドな涼平の、内外のギャップもよりいっそう磨きがかかってますし、助手の茜もとってもかわいい。Jのマスターや捜査一課の須藤刑事というおなじみのメンバーも健在です。
前作のハードボイルド・エッグを読んでなくたって全然問題なく楽しめますから安心してオススメできます。
電車の中やファミレスで何度も「はははははは」って声を上げて笑ってしまいました(大げさじゃなく)。そして何度も思い出し笑いをしてしまいます。特にJのマスターとの掛け合いは最高っ! もうね、ポークビーンズ定食なんてあたりは、何回読んでも「ゲラゲラ」です。


どんだけ説明しても説明できないほど、最高に可笑しい一冊です。評価は文句なしに★★★★★なのです!