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やってられない皆様に(笑):やってられない月曜日

やってられない月曜日
柴田 よしき
新潮社 (2007/08)
売り上げランキング: 3570
おすすめ度の平均: 4.0
4 やってやれるかも、と思える、神経疲労時の栄養補給本☆


ワーキングガール・ウォーズ』の柴田よしきさんの新刊を早速読了しました。


主人公の高遠寧々は大手の出版社にコネ入社した28歳のOL。出版社って言っても経理部に配属されたので派手さも一切ない地味な仕事ばかり。仕事に情熱を持ってるわけでもなく、キャピキャピOLのようにアフターファイブや恋愛に生きるのでもなく、コネ入社の後ろめたさもあって、会社生活をエンジョイしているとはとても言えず、楽しみはNゲージ用のミニチュアハウスを作ることとアニメを見るっていうオタク系。そんな平均、いやそれ以下かもしれないOLの寧々の、地味な日常を描いた連作短編集です。


よくあるOL小説のように、派手な業界でのストーリーでもないし、かっこいいキャリアウーマンも、恋愛に生きるオバカOLも出てきません。等身大の働く未婚女性をストレートに描いています。これって簡単なようでとっても難しい。だって小説になりそうなテーマがないんだもの。ルーチンワークをミスなく処理し、トラブルが起きたら多少は忙しくはなるけど、自分が中心となって対応処理のために会社全体を指揮するわけもない。給料だってトレンディードラマみたいに派手な遊びを頻繁にできるほどもらってるはずもないから、実際の生活は倹約に次ぐ倹約・・・。実際はそんなもの。そんな地味な世界をうまく描いてることにとても好感が持てました。唯川恵とは好対照(爆笑)。


会社なんてお金を稼ぐためだけの手段。そう割り切りたくても割り切れないところに会社生活の難しいところなんだけど、終身雇用なんて幻想がどこかに消えてしまった今の世の中、どうやって会社との距離を設定するかがとても大事になってきてると思う。あたしも寧々の会社との距離感があたし自身と近かったこともあって、とても親近感が持てた(あたしよりもずっと若い子だけど)。
寧々の唯一といってもいい社内の仲良し・百舌鳥弥々もコネ入社。彼女とランチをしたりディナーをしたりしながら、ぺちゃくちゃおしゃべりできる。実はそういう友達って社内で作ることってホント難しいから、とてもうらやましかった。あたしは孤独だもんね。それも好んでそうしてるのだけど。


評価は★★★★☆。
「やってられない月曜日」という章から始まって火曜日、水曜日、と曜日ごとの章立てになっているので、1日1章ずつ通勤電車の中で各曜日ごとに読んでみるといいかなぁって思います。オススメです。