垣根 涼介
新潮社 (2007/09)
売り上げランキング: 2733
垣根 涼介さんの『君たちに明日はない』の続編です。前作の終わり方が中途半端だったので期待はしていましたが、やっぱり続編が出版されました。うれしい！
前作に続き企業側からリストラを請け負う「日本ヒューマンリアクト」の社員・村上真介が、企業に乗り込んで、人事部に成り代わってリストラ候補の社員と面接していくお話。全部で5つの連作短編集です。
今回は百貨店、保険会社、消費者金融会社、温泉旅館のリストラを請け負いますが、前作に比べると、リストラ面接のインパクトにちょっと欠けてる気がしましたし、いい意味でも悪い意味でも真介と恋人の陽子とのやり取りが多く割かれてしまっています。真介にはもっとシビアにリストラ面接をしてもらいたかったなぁっていう感想を持ってしまいました。悪く言うと甘すぎかな。
あたしもだんだん歳を重ね、体調不良もあってリストラっていうのが本当に他人事じゃなくなってきた。何時会社に「いらない」って言われて放り出されてもおかしくない（管理職だから組合も関係ないし）。だから真剣に読んでたんだけど、結構恵まれている人とか能力の高い人ばかりが出てきてて、リストラ請負人として真介が「活躍」する場面が少なくなってたのが残念でした。
評価は・・・・悩んだけど、★★★☆☆。
今回も読みやすくって1日でイッキ読みしちゃったけど、続編にありがちな「たるみ」みたいなのを感じてしまったから、前作よりマイナス1ポイントとさせていただきました。
