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悲しくて切なくて、でもすがすがしくて。:深紅


野沢尚さんの人気小説『深紅』の映画をDVDで借りてきました。
主演は内山理名さんと水川あさみさん。どちらもきれいですよね。この作品のもっとも重要な死刑囚を演じるのが、目で芝居ができる数少ない名俳優の緒方直人さん。原作がしっかりしてるし、原作者の野沢尚さんが映画の脚本をやってるから、小説の映画化作品にありがちな「原作を台無しにする愚作」にはならなくて、映像化したからこそ高いレベルに昇華したすばらしい一本に仕上がっています。
さすが元々が脚本家さんが書いただけあるなぁって感心しちゃいました。


ストーリーはほぼ一緒なんだけど、物語の構成が大きく違います。
小説では死刑囚の上申書が前半に書かれてて、奏子の少女時代も冒頭に登場するだけなんだけど、少女時代が十数分費やされて、そのあとにも効果的に繰り返されます。上申書は物語の後半から徐々に明かされていきます。
この大胆な構成が奏子と美歩のふたりが企もうとする完全犯罪が重なって、奥行というか重さを強調してくれます。
小説がどっちかというと後半部分が弱いっていう評価があるようだけど、この映画はそれを補って余りある仕上がりです。


物語自体は、とっても悲しくてせつないお話です
でもエンディングでふたりが永遠の別れをするシーンが、原作とちょっと違うんだけど、それがとってもすがすがしくて・・・、実際そんなことあるわけないじゃんって言われればそれまでだけど、このふたりの女優さんが持つ透明感がうまく引き出されてるって思いました。


小説はもちろん★★★★★だけど、この映画も文句なく★★★★★です!