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タイトルに偽りなし:Fake

Fake (幻冬舎文庫 い 18-4)
五十嵐 貴久
幻冬舎 (2007/07)
売り上げランキング: 14593
おすすめ度の平均: 4.0
4 騙されないように注意


パパとムスメの7日間』の著者、五十嵐貴久さんの本ですが、とても同じ作家さんが書いたとは思えない内容の本でした。五十嵐さんって振れ幅がとっても大きな作家さんだなぁ。びっくり。


興信所を経営する宮本の元に西村という人間が自分の息子を東京芸大に合格させてほしいと依頼することころから物語は始まります。息子の昌史は実技は完璧なのに勉強はまったくの苦手。一次の学力テストさえ合格すれば・・・という依頼でした。
宮本は東大生の加奈と組んでハイテクを駆使したカンニングプロジェクトに取り組むのです。完璧だったはずのカンニングがなぜかばれてしまい、宮本も加奈も昌史もすべてを失ってしまうのでした。
カンニングを依頼した西村は実は偽者で、カンニングの裏にはとんでもない策略があったことがわかり、宮本たちはカンニングをリークした沢田という人間に復習をするため、10億円をかけたポーカー勝負を仕掛けるのです。沢田は頭がとても切れる人間でギャンブルも天才なのですが、宮本たちは素人。まともなら勝ち目はゼロなのですけど、お得意のハイテクを駆使したイカサマを仕掛けて絶対に負けるはずのない勝負に挑むのでした。
ところが途中まで作戦は完璧だったのですが、なぜか勝負に敗れてしまいます。すっかり負けたと思っていたら・・・・最後の最後に大どんでん返しが待っていたのでした。


とにかくどんでん返しの繰り返し。こういう作品はコンゲーム小説っていうらしいのだけど、読者も手玉にとってしまう見事な仕掛けに脱帽です。『スティング』っていう映画に仕掛けがにているらしいのだけど、あたしはその作品を観たことがないので、この本の仕掛けには本当にだまされたしびっくりしました。
ドロウポーカーで一騎打ちする場面はプレイヤーの心理描写が緻密に描かれてて迫力満点。まるで映像を見ているかのように引き込まれていきました。


評価は文句なしに★★★★★
読みやすくて軽快な文章だし、こういう作品になじみのない人には本当にオススメできる作品だと思います。