momo☆彡のスタイル。II

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桐野夏生さん『バラカ』読了しました。

久しぶりに渾身の桐野夏生さんの長編を読みました。
特に下巻になってからの疾走感は素晴らしかったです。
現実の日本より、ここで書かれるのは、もうひとつの日本。福島第一原発事故がもっと凄まじく、関東地方までが危険区域にはいってしまう、より深刻な事態になっている、ifの世界の日本。押し寄せる波にあらがう薔薇香。
しかも誰が本当の味方なのか、わかんなくなってきて、そのことがスリルをいっそう引き立てます。すごかった。読むペースも一気に上がります。
エピローグでちょっとホッとしますね。
ごくごく短い、この最後の章で救われた気がします。
やっぱり桐野夏生さん、人間の暗部を書かせたらすごい仕事をします。もちろん駄作もあるんですが。確率的には当たりのほうが多い気がしますね。

ネタバレになってしまいますが、諸悪の根源である川島は、もっともっと悲惨で救いのない、激しく苦しんで死んでほしかった。

さて次は・・・。
一旦小説から外れます。