momo☆彡のスタイル。II

Welcome to momo's weblog! Do not hesitate to leave your footprints on this site.

そろそろ長編も:螢坂

螢坂
螢坂
posted with amazlet on 06.06.26
北森 鴻
講談社 (2004/09/22)
売り上げランキング: 57,265
おすすめ度の平均: 4.67
5 美味しい料理と…
5 酒も料理もうまそうだ!
4 旨い料理とミステリーに目がないあなたへ。「香菜里屋」に行ってみませんか?

三軒茶屋の外れにあるビアバー「香菜里屋」を舞台とする『花の下にて春死なむ』『桜宵』に続く、シリーズ3番目の連作短編集です。
この作品はマスターの工藤の鋭い洞察力と常連客との駆け引きの軽快さ、そして工藤がさりげなく差し出す料理の三つが絶妙なバランスとなって、読者の脳を刺激してくれます。
収録作品は「螢坂」「猫に恩返し」「雪待人」「双貌」「孤拳」の5本。
これまではどちらかというとちょっと工藤のうんちくが鼻につくところがあったり、推理が強引だったりする話も目に付いてたのですけど、三作目になって洗練されてきたのか、読者がなれてきたのか、多分その両方でいいバランス。工藤の口数が少し抑え目になっているのもいいって思います。その分、ミステリー色が薄れてはきてるけど、安楽椅子探偵モノなのだし、この程度でいいと「は」思います。
掲載していた作品のページ数の制限なのかもしれないけど、もっとひとつひとつのエピソードを掘り下げてほしいなって思うお話もありました。
あと、『桜宵』で新しく登場して思わせぶりに終わってた香月のマスターとの謎にほとんど手がつけられなかったのはちょっと不満かな?
そういう点も考えると評価は★★★★☆。
そろそろこの「香菜里屋」を舞台にした長編も読みたい気もします。