一作目の常連さんの出番は少なくなって、新しいお客様たちが登場します。
お話の中身はもちろん、工藤が出すお料理も前作以上に、おいしくなってます!
一番興味深かったのが、表題の「桜宵」というお話と、一番最後の「約束」というお話。
「桜宵」のほうはちょっとホロリときちゃいそうなお話。切ない母心と、死んだあと残される夫を思う妻の気持ちに、心を打たれます。
一方の「約束」は、幸せを手放したくない女性が企てた恐ろしい計画のお話です。ちょっとオカルトチックだけど、何となく気持ちがわかる。結局幸せなんて自分の心の中にしか存在しないのだし、それを他人との比較でとか、自分の中で勝手に置いた基準でか認識できないのかもしれない。だから他人をねたんだり、今あるものを失いたくないって執着したりするのかな。
ああいう心理って男性にはわかんないかもしれないですね。
こうなると第三作目の『螢坂』もすぐに読みたくなっちゃいますね。
評価は★★★★☆。期待してるからこそ、辛め。