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かっこいい男たち:海は涸(かわ)いていた


何がって、白川通さんの「海は涸(かわ)いていた」(新潮文庫)に出てくる男たち。かっこいいです。


役所広司主演で「絆」というタイトルで映画化された作品らしいのですが、そんなことは全然知りませんでした。
最初は主人公の「伊勢孝昭」=「芳賀哲郎」の暗い過去と、彼の人間関係が割と淡々と綴られていくのですが、唐突に警視庁・佐古警部が登場したことで物語が急展開。伊勢=哲郎と佐古の2人が伊勢の妹を守るために交差し、それが双方の視点から巧みに描かれていきます。
どちらの視点に立っても切なくて、どっちの男もかっこよくて、でもキザじゃなくて、やさしくて愛があって・・・。
エンディングは決してハッピーエンドじゃないけど、「これできっとよかったんだよね」って、なんとなくホッとしてしまいました。


白川通さんの代表作と言えば「天国への階段」だと思います。
天国への階段もそうなんですが、どの作品に登場する男とはみんな魅力的。安っぽいハードボイルド小説に出てくるような鼻につく男じゃなく、心のどこかに傷を負いながら、それを隠して懸命に不器用ながら前に向かって進もうとするけど、結局は後悔しながら生きようとする人間が、白川通の素晴らしい文章により、頭の中で勝手に動き出すのです。
派手なアクションシーンや銃撃戦はないけど、これらは完全にハードボイルド。


海は涸(かわ)いていた」も「天国への階段」もどっちも超オススメ!