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明るいキャバ嬢サクセスストーリー:Lady,GO

Lady,GO
Lady,GO
posted with amazlet on 06.08.05
桂 望実
幻冬舎 (2006/07)

先日ご紹介した桂望実さんの『Lady,GO』を読み終えました。


主人公の南玲奈は自分のことが嫌いで地味で暗い女の子。何の目標もなく派遣で働いていたのだけど、急に派遣先との契約が切れてしまって、やむにやまれず友人に誘われてキャバクラ嬢になります。最初はぜんぜんなじめなかったのだけど、だんだん自分の役割というか使命というか、自分が好きなことが何なのかを見つけ、その夢に向かって初めて自分の意思で前に進みだすまでを描いています。


最近、こういうテーマってはやってるんでしょうか。
ホストとかキャバクラの世界を描いたマンガとか小説って多く出てますよね。そういうのってホストやホステスどうしでバチバチしていがみ合ったり意地悪したり、足をひっかけたり、派閥争いしたり・・・っていう暗い感じがするけど、この作品はそんなことはほんのちょっぴりはあるけど、基本的にはカラッと明るくて、登場するキャバクラ嬢の多くが前向きで個性的。
ともすると画一的な横顔しか描けない作品が多くなりがちだけど、みんな表情がとっても豊か。中でも、玲奈を暖かく時には厳しく見守っているオカマのスタイリストでちょっとだけ虚言癖----といっても場を和ませたり勇気付けたりするための前向きの嘘だけど---のあるケイさんがとてもいい味を出しています。何ていうのか、女同士の殺伐とした世界の中でひとりだけ投げ込まれた異分子の存在が、物語にユーモアと奥深さを与えてくれています。


前にも書いたとおり、現実はこんなに奇麗事ばかりじゃないと思うけど、キャバクラの世界じゃなくたって、どんな仕事でもきっと自分のポジションで前向きに生きていくことと、自分の存在に意味を見つけることの大事さは変わらない。そんな普遍的なせメッセージをあたしたちに送ってくれている、そんな本です。


あたしも玲奈といっしょで自分のことが大嫌い。だから彼女の気持ちはよく理解できる。
長い間仕事をしてきて、だいたい先も見えてきて、モチベーションを保つだけで精一杯な状況にいるあたしには、ちょっと玲奈はうらやましすぎる気もするけど、でもちょっとだけ勇気付けられた気がします。
まだあたしは間に合うのだろうか・・・。


評価は★★★★☆。