姫野 カオルコ
新潮社 (2002/09)
売り上げランキング: 184641おすすめ度の平均:真実
テンポいいです。
どっちがしあわせか?
「美人とはなにか」を考えさせる一冊です。
好みは十人十色というけど、美人の定義もひとそれぞれ。
ふたりの同級生が高校卒業後、それぞれ方向の異なる美容整形を施すのです。絶世の美女の繭村甲斐子はあえて自分の見栄えを悪くするような美容整形をし、平凡な容貌の望月阿倍子は甲斐子をモデルに美しい容姿に美容整形します。まったく逆方向の手術を受けた二人の人生はどう変化していくのか、両者の対比がとても見もの。
結局、どっちが幸せな人生を送ったのかどうかはあたしにはわかりません。でもこれだけははっきり言えるのは、容姿の好みが十人十色であるように、何が幸せかなんてのも十人十色なんだなぁっていうこと。
それよりも、自分をショールームに飾るように取り繕わなくちゃならない人生ほど、苦痛でつまらないものはないということが、姫野カオルコさんのメッセージとして伝わってくるように思いました。
評価は★★★☆☆。
わざとなんでしょうけど、文章にとてもクセがつけてあってあたしには読みにくかったのと、前半に誰が美人で誰がブスなのかをはっきりさせてないからちょっと混乱してしまったから。
もしかしたら巻末の解説から先に読んだ方がすんなりと入り込めるかもしれません。