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帰ってきた伊良部一郎。逃げなきゃ!:空中ブランコ

空中ブランコ
空中ブランコ
posted with amazlet on 06.05.11
奥田 英朗
文藝春秋 (2004/04/24)
売り上げランキング: 1,774
おすすめ度の平均: 4.41
4 伊良部先生との幸せな初めての出会い
5 爆笑した。
5 単に、読みやすいだけの本ではない

めちゃくちゃな精神科医・伊良部一郎が、デタラメな診断をしてなぜか治ってしまう、奥田英朗さんのメディカルコメディーの第2弾、『空中ブランコ』についに手を出してしまいました。
前作の『イン・ザ・プール』に続く作品で、直木賞受賞作品です。
今回も5人の患者さんが犠牲になります。
人間不信に、先端恐怖症、破壊衝動、イップス、そして嘔吐症&強迫症。


表題にもなった「空中ブランコ」はあたしが身に詰まされる話でした。空中ブランコのエースが、新しく組んだパートナー(キャッチャー)を信用しきれないばかりに調子を崩しちゃうんだけど、それが自分がおかしいことに気付かないで相手のせいにしちゃう。その結果自分が周りから浮いてしまうっていうお話なんだけど、あたしも同じタイプの人間だから、他人のことのような気がしませんでした。


とにかく笑えたのが「義父のカツラ」。かなり脱力系だけどバカバカしくって笑える。読んでるうちに「ええい、もう早く脱がしちゃえってば!」って応援しちゃってたりする(^^)


最後の「女流作家」は、いかにもいそうな感じの、チャラい恋愛小説しか書けない売れっ子作家が登場します。彼女が超鼻持ちならない(あたしが最初に浮かんだのは唯川恵)。
それは置いとくとして、虚栄心とか現状への執着心とか、他人に評価を気にしすぎることって言うのは誰しも持ってること。それがすべて強迫症になるというわけじゃないけど、人間が暮らしていくにはある程度の割り切りが必要なんだよねって思いました。
そして最後、看護婦のマユミのおかげでちょっとハッピーになれます。あたしもがんばんなきゃ。


評価は悔しいけど★★★★★。前作は4つだったけど、今回は感服です。伊達に直木賞は取ってなかったです。
でも渡辺淳一センセイはどう評価したのかがとっても気になります(笑)。