第2回本屋大賞受賞作で、映画化も決定した作品ということで、買ってしまいました。暗黒の高校生活を過ごしてたあたしにとって、こういうお話って正直苦手。だから知って読み始めたのだから、覚悟はしてたんだけど、期待以上でもそれ以下でもなかったって感じ。
全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事「歩行祭」で、高校生活最後のイベントとなる貴子は、異母兄弟の融と「決着」をつけるべく誓って歩行際に臨むお話です。
途中で同級生といろいろ話しながら、ただ単に80キロを歩きつづけ・・・疲労から次第に話す内容は、要点だけになり、今まで語り合うことのなかったことを口にし始めるようになっていく。
誰しもこういう経験はあると思う。修学旅行の最終日だったり、運動会や文化祭の準備中とか終わった後の帰り道とか。
だから、あえて(架空なのかどうかは知らないけど)歩行祭っていう極端な設定した意図も理解できなくはないんです。究極の状態で余計なものがなくなった状態っていうのかな? そんな状況に追い込まれて貴子と融はようやく口をきけるようになったっていうのも。
うちの高校でも毎年、マラソン大会っていうのがやってたけど、この歩行祭っていうのは現実味がなさ過ぎ(架空かどうかは知らないけど!)。1200人の生徒を夜中歩かせて、汗だくのまま雑魚寝させて・・・。とても危険だし、不衛生だし、怪我したら責任の所在はどこにあるのかって考えると、やっぱしありえない(しつこいけど、架空かどうかは知らないです)*1。
その上、登場人物にあまり魅力を感じないんです。主人公の貴子も含めて出てくる人物のキャラがあいまいだし、みんなけっこうモテる人間だったりして、これが普通の高校生って到底思えないんですよね。その割にセリフは凡庸で魅力を感じないし。
厳しいけど、星は2つ★★☆☆☆がせいいっぱいでした。
『ドミノ』は★★★★★で、『ねじの回転』は★★★☆☆。作品によって合う・合わないの差が激しい作家さんですけど、合いそうもない作品が多いんですよね・・・。