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戦争を描かない戦争小説:となり町戦争

となり町戦争
となり町戦争
posted with amazlet on 06.12.25
三崎 亜記
集英社
売り上げランキング: 66863
おすすめ度の平均: 3.0
1 すばる新人賞・・
5 映画化、舞台化される!?
5 舞台、映画で楽しみたい!

ジャンルは何になるんでしょう。いちおうSFなの? それともファンタジー?
地方の隣接する町同士が戦争をする。その戦争を軍隊ではなく役所が取り仕切るんだけど、小説の中では一切の戦争描写がなく、登場人物のセリフや広報紙の中で「戦死者」という言葉だったりとか、町の商店街に張られている戦意高揚の横断幕だったりとかだけで戦争が続いていることが語られる、ちょっと不思議なお話です。


この戦争、道路や建築物とまったく同じように、公共工事のように戦争が遂行されていきます。作戦ひとつにも予算があって許認可があってコンサルタントの入札があって、役所は法律や条例に忠実にしたがって淡々と戦争を処理していくのです。戦争の目的は「戦争による地域活性化」。公共事業としての戦争。戦争相手のとなり町との「共同事業」としての戦争。何十年も前から計画され、その通り遂行される業務としての戦争。お役所仕事だから日曜日や年末年始は休戦になる奇妙で笑っちゃうような呑気な戦争、でも確実に住民の血が流れて多くの人間が死んでいるリアルさがその陰で冷たく笑っている、とても怖い戦争。


そして主人公の男性は、偵察要因として町に準公務員扱いで雇われるのですが、そこで戦争担当の女性職員の香西さんと、業務として?恋愛関係になり、目に見えない、限りなくバーチャルとしての戦争、しかし肌で感じつつある戦争の影に、徐々に戦争の意味を自分の中で問いただしていくことになるのです。


読んだ感想・・・。正直言うとよくわかんなかったです。
戦争というのはきっと何かの比喩で、住民の感情とか、事の善悪を考えずに、ただただ行政マシーンとして冷静に、時に冷淡に業務をこなすことに注力する今の行政サービスへの皮肉?なのかもしれません。でも、テレビゲームでの戦争を文字で追っているようで、とても不気味な印象を持ちました。
あえてそういう書き方をして、不気味さを演出しているのだと思うけど、好き嫌いが別れそう。あたしは苦手かなぁ。


なので、★★★☆☆までとしておきます。