いつも文句ばかり言ってるけど、また買ってしまった唯川恵さんの本。
最近は若者のトレンディードラマみたいなお話じゃなく、30代から40代の等身大の女性を描くことが多くなって、新しい一面を見せつつある唯川さんですけど、この本もその世代の女性たちを描いている短編集です。
登場する女性に共通するのは、どれも男運がないこと。女として盛りを過ぎてしまって、連れ添った男性と何らかの理由で別れなければならなくなった女性が、自分の過去を振り返っては嘆き、そして前を向いたときに霧がかっている自分の未来に立ち尽くす、そんな悲哀を描いたお話が多く収められています。
あたしも同じ世代なので他人のことと思えず読んでいたんだけど、ずっと読んでて思ったのは、よく昔から言われたことで、「女の幸せは男次第」みたいなお話ばかりだなぁってこと。果たして本当にそうなのでしょうか。今更、結婚だけが女性の幸せのすべてだとは思わないし、この本に出てくる女性たちも結婚しても全然幸せじゃないのだけど、女性の幸せがすべて男性によって決まるっていうのも、何か古臭い考え方だなぁって思わずにいられませんでした。
平凡な主婦=さえないっていう、唯川さんの画一的な描き方は相変わらずだし、なんだかなぁって思ってしまいました。
というわけなので、評価は★★★☆☆までです。