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鷲津が帰ってきた!:ハゲタカII

ハゲタカ2(上)
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真山 仁
講談社 (2007/03/15)
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おすすめ度の平均: 4.5
5 素人には想像の世界ですが・・・
4 ドラマを見て読みました
4 ハゲタカを読んでいない人には・・・


ハゲタカ2(下)
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真山 仁
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4 読後の満足感はありますが・・・
4 ハゲタカを読んでいない人には・・・


この前ご紹介した『ハゲタカ』の続編です。
前作の『ハゲタカ』の最後でパンドラの箱を開けた、外資系ファンド、ホライズン・キャピタル代表の鷲津政彦は、命を狙われる恐れもあって1年間の海外放浪に出ます。で、彼が帰国したら、親友でファンドの社長を務めていたアランが謎の死を遂げ、彼が築いていた投資物件も投売りされていたりして、文字通り浦島太郎の存在になってしまっていました。そんな鷲津が目をつけたのが老舗繊維メーカーの鈴紡でした。一方の鈴紡は、生き残りをかけて化粧品部門の売却を企て、鈴紡本体の買収防衛のために芝野健夫を担ぎ出すのです。その鈴紡の買収戦争は結局、意外な結末になってしまうのです。
失意の鷲津の前に、大きな企業買収案件がもたらされます。巨大電機メーカーの曙電機。テレビ事業を求めて曙電機を買収しようとする新興企業のシャイン、これに今度は米国軍産ファンドのプラザ・グループが、曙電機の持つ技術の軍事転用を目論んで、曙電機を丸ごと買収しようとします。
プラザの邪魔をしようとする鷲津はホライズンを解雇され、曙電機の再生にかかわっていた芝野も脅迫にあうのですが、今まで敵同士として対峙してきた鷲津と芝野は、曙電機の買収阻止のためついに力を合わせて、勝ち目のない巨大ファンドに戦いを挑むのです。


最初に書いておきますが、登場人物の多くが前作に続いての登場になるんですけど、アウトラインが何も説明されてないので、いきなりこの作品から読み始めると何のことかさっぱりわからないと思います。そういう点では「バイアウト」っていうタイトルを「ハゲタカII」に変えたのは正解だったでしょうね。
前作よりも買収対象になる企業の規模も大きくなり、日本政府やアメリカ政府まで話に出てくるなど、物語のスケールも前作をはるかに凌ぐようになったのですが、金融に関しての描き方が若干大雑把になった気がしました。
前作はそんなに大きな買収劇でない・・・あたしたちがほとんどニュースで知りえないような規模の案件であっても激しいつば迫り合いが行なわれているさまを丁寧に描いていたのに、今回はスケールが大きな案件ばかり続いてしまって、ちょっと間延びしちゃったように思います。
それと、アメリカ大統領を動かしたり、日本の首相に直談判するなど、話に現実味がなくなったのも残念です。最後の大どんでん返しもちょっと強引過ぎる気もしました。
また、前作に続いてミカドホテルのその後のお話も挿入されていましたが、本編とはほとんど絡まないのでもったいなかったですね。
あと、鷲津の性格が前作からかなり変わってしまっているのも、気になりました。できれば鷲津には冷淡なハゲタカのままでいてほしかったなぁ。


というわけで評価は★★★★☆まで。



追伸:『ハゲタカ』『ハゲタカII』に出てくる企業はもちろん架空のものですが、それぞれモデルがいるみたいです。ホライズン・キャピタルはたぶん、ユニゾン・キャピタルで、太陽製菓=東ハト、鈴紡=カネボウ、月華=花王、三葉銀行=三和銀行、UTB銀行=UFJ銀行、東京相愛銀行=東京相和銀行、足助銀行=足利銀行、ゴールドバーグ・コールズはゴールドマン・サックス。シャインはキヤノンで、曙電機は三洋電機かなぁ?