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歴史はつながっている:千年樹

千年樹
千年樹
posted with amazlet on 07.04.04
荻原 浩
集英社 (2007/03)
売り上げランキング: 6553


おなじみ荻原博さんの新刊です。
神社の境内にある樹齢千年のくすの木。その木は千年間行き続け、その間人間は生と死を繰り返す。輪廻? 因果? とにかく人が歴史を作り、そして長い時空を越えて人はつながっているんだ。そんな壮大なスケールを、とても小さな街を舞台につづった連作短編です。
最近の荻原さんが好んでるような、ちょっとホラーチックなお話ですが、それよりもとてもファンタジーな印象を受けました。


昔住んでた名古屋の実家の近くにも、古い神社があって、すぐ裏には小学校があって、その間にはきっと昔から存在していた小さな杜があって、そこがあたしが小学校のころの遊び場でした。その森もきっとずっと歴史を、多くの人間の生活を見守ってきてる。脈々と繰り返される生と死によって歴史は作られていく。それは一部の偉人や権力者だけが作るのではなく、無名の人間たちによって。そうやって遥か古代から現在まで歴史はつながってきてる。自分の何千年前の“先祖”へ想いをはせてしまう。
そんな不思議な本でした。


評価は★★★☆☆。もうちょっと軽めのトーンだったらもっと読みやすい気がしたので、その分割り引いてしまったけど、苦手じゃない人にはオススメかな?