momo☆彡のスタイル。II

Welcome to momo's weblog! Do not hesitate to leave your footprints on this site.

桐野夏生『グロテスク』(上・下巻)を読み終えました。

なかなか忙しい日が続いてしまって、以前ほど読書に割く時間がないのですが、これも本との向き合い方なのかな。悪いことではないし。
さて、桐野夏生さんの『グロテスク』の上下巻をさっき読み終えました。

感想・・・は、桐野夏生さんの作品では最初に読んではだめなお話でした。つまり桐野さんは登場人物を徹底的に貶めようとする、から。読後感もよくないし。そういう作家さんなんだと知らないで読むと、たぶん途中で投げ出したくなるかな。

東電OL殺人事件をという実際の事件からヒントを得て書かれていたる作品ですが、首尾よくここまで話を広げられてます。
確かに本筋とあまり関係ないエピソードもあって、冗長感がある箇所もあるのですが、そんな周辺をなぞって登場人物の輪郭を丁寧に描こうとしたのでしょうか。意図はわからなくもないですが、ちょっと狙いどおりにはいってないかもしれません。たとえばミツルのカルト宗教のエピソードなど。
結局、ユリコと和恵は、立ちんぼにまで身を落とし、チャンに殺害されてしまうのです。自分の存在価値を自分自身に認めさせようとするユリコと和恵が夜の街に立ち続ける気持ちはわからなくはない、というより、痛いほどわかる。とくに後半では和恵に感情移入してしまいました。きっと誰もが持っている負の感情が、あたしにも理解できなくはないから。

f:id:momo0258:20220219194751j:plain