momo☆彡のスタイル。II

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中江有里さんの『結婚写真』を読了しました。

主人公の満(ミチル)は中学生の女の子。中江さんご本人のイメージが重なって、ミチルはまるで実在するかのように実在感いっぱいでした。母ひとり娘ひとりの、まるで友達のような親子である母子家庭で、母娘ふたりで結婚写真を撮りに行ったのですが、この結婚写真が物語全体のキーになります。
この親子に「三人目の主要人物」である「林」という男性が投げ込まれ、それをきっかけに物語が大きく動き始めます。正直言っちゃうと、この「林なにがし」ですが、この物語の中に唯一のウイークポイントは、林の描き方が弱いという点だと思います。こんなひとは現実味がないし、実在したら気持ち悪いです。
まあ、なんにしても中江有里さんのイメージが重なるミチルの魅力なんですよね、このお話は。
エンディングもよかったし、全体としていい作品でした。

さて次はこれ読もうかしら。
桐野夏生さんの『とめどなく囁く』。

それとも、中江有里さんの別の長編小説にしようかな。