momo☆彡のスタイル。Ⅱ

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透明感のある再生小説:いちばん初めにあった海

いちばん初めにあった海
加納 朋子
角川書店 (2000/05)
売り上げランキング: 11,817
おすすめ度の平均: 4.78
5 ほろりと感動しました
5 こころ救われる物語
5 ふたりの主人公

いちおうミステリーなのかな?
でも、ミステリーというのはちょっとゆるいかな。謎がを解くような話じゃなくて、最初のほうでかかれてなかった事実が小説の中で自然と明かされるという程度のお話が二篇、収められています。
勘違いしてほしくないのは「ゆるい」って書いちゃったけど、それはつまらないということではまったくなくて、ミステリーというより再生小説としてとてもよくできてる本だって思います。
表題にもなった「いちばん初めにあった海」も「化石の木」も、透明感のある素敵なお話でした。


「いちばん初めにあった海」は、主人公の千波が、心に深い傷を負って失った過去に相対する勇気が持てたとき、自分と声を取り戻して未来に向かって歩みだすまでを描いたお話。「謎」というより失った記憶をだんだん取り戻す過程がミステリー風といえばそんな感じ。それより千波と麻子の友情がとってもうらやましく、いつまでも胸に響きました。


「化石の木」も、最後の締め方がとっても印象的。自分の子を虐待してしまう母親が死んでしまう「事故」と、その子の関連についていしたためた本を巡る事件のお話・・・かと思ったら、ちょっと意外な終わり方。なるほどね、そうきたか。思わずニヤリ、そしてほんのり何かがこみ上げてくる、そんな感想です。


評価は★★★★☆。
厳しいかな?
「いちばん初めにあった海」は、ミステリーとして読ませるなら、もうちょっと考えさせてほしかった部分があった。そういう点でちょっとどっちつかずみたいな部分があって、それがせっかくのいいお話を邪魔してる気がしたから。「化石の木」の方がミステリーとしては上だと思うけど、インパクトはない気がしたら。