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浮気と本気:夜明けの街で

夜明けの街で
夜明けの街で
posted with amazlet on 07.07.07
東野 圭吾
角川書店 (2007/07)
売り上げランキング: 44


もうすぐ時効を迎える15年前の殺人事件と不倫を絡めたお話です。主人公の渡部は派遣社員の仲西秋葉と深い仲になってしまうんですが、その秋葉には15年前の殺人事件に深く関わっているようなのです。徐々に秋葉との恋愛に本気になっていく渡部は、今の家庭を捨てて秋葉といっしょになる決意をしますが、それには15年前の殺人事件の謎が立ちはだかるのです。事件の意外な真相、そして渡部と秋葉との仲はいったいどうなるのでしょうか・・・。


さすが東野圭吾だけあって、読みやすさは一級品ですが、肝心の中身は、帯に「東野圭吾の新境地にして最高傑作」と書いてあったのですが、正直そこまでの作品とは思えませんでした。15年前の殺人事件の真相も案外だったし、不倫の結末ももうひとひねりほしかったように思います。
最後の秋葉の言動についても、もうちょっと思慮してほしかった。秋葉を家庭に返すためにああいうことを言ったのか、それとも本心なのかわかんないんですよね。あたしは本当にあんなふうに思ってるとは考えられない。きっと秋葉は無理をしてるんだと思うだけど、それにしては心の葛藤が読み取れないし・・・。


浮気から本気に変わる渡部の心境の描き方は見事だし、それを引き止めるともだちの新谷たちの説得も絶妙(笑)。渡部の本気に戸惑いながらも徐々に独占欲が止められなくなる秋葉の心境もよく描けてると思います。
「そうそう、遊びだと割り切ってたつもりなのに・・・。わかるわぁ。」って思いながら読み入ってしまいました。だからこそ、最後の終わり方にちょっと納得いかなかったんです。


大好きな東野圭吾さんの作品だからこそ、どうしても厳しい目になってしまう。だから評価は★★★☆☆まで。もちろん一般的なレベルとしてはとても高い作品だと思いますけど、東野作品としては「並」かなぁって思わざるを得ません。