momo☆彡のスタイル。II

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お客様は神様です。

三波春夫さんの名言『お客様は神様です』というのが誤用されているのが気になります。
元々は

このフレーズが真意と離れて使われる時には、例えば買い物客が「お金を払う客なんだからもっと丁寧にしなさいよ。お客様は神様でしょ?」と、いう感じ。店員さんは「お客様は神様です、って言うからって、お客は何をしたって良いっていうんですか?」という具合。
俗に言う“クレーマー”の恰好の言いわけ、言い分になってしまっているようです。

(中略)

「歌う時に私は、あたかも神前で祈るときのように、雑念を払って、心をまっさらにしなければ完璧な藝をお見せすることはできないのです。ですから、お客様を神様とみて、歌を唄うのです。また、演者にとってお客様を歓ばせるということは絶対条件です。だからお客様は絶対者、神様なのです」

三波春夫オフィサルサイト、http://www.minamiharuo.jp/profile/index2.htmlより抜粋)

というのが真意なのです。だから、客を神様であるかのように崇めて、絶対的な存在として扱えという意味ではありません。
なぜそんなことを思い出し方というと、例の浦和レッズのサポーター(あまり好きな言葉ではありませんが)が掲げた人種差別の横断幕に対するクラブ側の腰の引けた対応があった件や、しまむらの店員が客に土下座を強要したりすることがあって、そういうニュースを見聞きするたびに、この「お客様は神様です」というフレーズの誤解を思い出すからです。

要約するなら、真意は『客は芸人の手抜きを見抜く神様みたいな目を持っているから、芸事は、神様に奉納するつもりでいなさいよ』という意味なのに、それがいつのまにか誤解されて今に至るわけです。

浦和レッズに限らず、サッカーファンの行動は常軌を逸してると思ってしまうことが多いです。負けた試合の後にファンがクラブの社長を取り囲んで糾弾するとか、あきらかに行き過ぎた行為です。今回の浦和レッズの件についても、「コアサポーター」と呼ばれる不届き者たちが自分たちの“権利”を拡大解釈して、たびたびトラブルを起こしていたにもかかわらず、クラブ側が彼らにきちんと対応できなかったことが、彼らの行動のエスカレートを助長したと言っても間違いではないと思っています。

こうした事件の陰には浦和レッズという会社の「事なかれ主義」があるのだと思います。親会社は三菱自動車工業。かつて大量の「リコール隠し事件」を起こした会社です。歴代社長は三菱自動車工業あるいは(その関連会社経由で)からの天下りです。今ではどうか知りませんがかつて三菱自動車工業の社内には「サッカー部閥」というのがあって、たいした能力がなくても出世が約束されていたりしました。
三菱自動車工業の社内には大企業病ともいえる「事なかれ主義」が蔓延していました。その果てに起こしたのが大量のリコール隠し事件だったと考えています。

Jリーグ発足前、浦和レッズの前身である三菱自動車サッカー部は、コアなサポーターを動員すべく、オフィシャルサポーター精度を立ち上げるなど、サポーター集めに熱心でしたが、サポーターを重視するということが、事なかれ主義という社風と合わさって、やがて、サポーターの暴走を黙認する結果につながってのではないかと考えています。
サッカーファンではないあたしからすると、ファンが球団の幹部を取り囲んで糾弾したり、試合後もスタジアムに居座って抗議するという光景は、ものすごく異様に感じます。
ファンの側に「応援してやってる」という驕りや「一緒に戦ってる」という思い込みに酔っているところがあったのではないでしょうか。

あたしはDDTプロレスのファンですが、DDTの運営にファンが口を出したり高木三四郎社長を大勢のファンが取り囲んで抗議するなどあり得ない話です。DDTプロレスが成功しているのは、一部のコアなファンだけではなく、新規ファンも区別なく大事にしているところです。
新日本プロレスの木谷社長が『すべてのジャンルはマニアが潰す』と言っているように、こんな状態ではいわゆるライトなファンが容易に立ち寄れない場所になってしまうのではないでしょうか。これでは本末転倒。ファンの底辺が増えていかず、先細りになってしまうのは目に見えています。ファンと運営団体には一定の線引きがあってしかるべきで、その一線を越えたらダメなのです。