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結局書きたかったのは・・・?:帝都衛星軌道

帝都衛星軌道
帝都衛星軌道
posted with amazlet on 06.06.14
島田 荘司
講談社 (2006/05/26)

タイトルに惹かれて買っちゃいました、この本。
きっと電車を使ったミステリーなんだろうなって思ったらドンピシャでした。西村京太郎みたいな長距離列車のトリックはあんまり興味はないあたしだけど、首都圏の電車を使ったトリックは大好き。だって普段乗ってる電車とか駅とか出てくるし、元々首都圏の路線の歴史とかそういうの大好きだから。
で、お話は、前編と後編に分かれてて、その間にちょっと風変わりな「ジャングルの虫」っていうお話が間に挟まってるカッコウになってます。ともすると、真ん中に挟まれたお話は飛ばさないで読んでほしいんです。そうすると後編のオチがより楽しめると思います。


で、読み終えた感想なんですけど、確かに本格ミステリーとしてのデキは完璧だって思います。トリックも構成も隙がなくて破綻も飛躍も感じません。
でも。最後のオチを知ってちょっとはぐらかされたような気がします。結局作者の島田荘司さんが書きたかったのはなんだろうかって。実はミステリーの内容なんか作者にはどうでもよくって、帝都に隠された真実というかそういうものを書きたかったんだろうって思わせてしまうし、事実そうなのでしょうね。
せっかく至高のミステリー作品に仕上がってるのに、余計なものを付け加えてしまって、最高なモノを自分の手で曇りガラスのショーケースにしまいこんでしまったような、そんな印象をもってしまいました。


だから評価は★★★★☆。もったいないなぁ・・・。